社会的格差とスラム

広がる社会格差とクロントイスラム

タイは20世紀後半から21世紀にかけてめざましい経済成長を遂げてきた国である。IMF(国際通貨基金)の2020年度版の発表によると世界の名目GDPランキングにおいてもタイは24位とASEANの国の中においては非常に大きな経済規模を持つ一方で、社会における所得の不平等さを示す指標であるジニ係数ではタイは43.70(100に近づくほど所得の不平等が大きく、日本は29.90)を示しており、繁栄と貧困の差が非常に大きい国の一つでもある。

発展する一方で広がる格差

タイではバンコクを中心に経済発展を成し遂げた裏では地方が疲弊しており、首都圏と地方の間で深刻な経済格差が広がっている。どのようにこの不平等を是正していくのか大きな社会問題となっている。

クロントイ・スラム

タイ国内には約2000ものスラムがあるといわれ、そのほとんどはバンコクやその周辺に集中している。その中でも最大級の規模を誇るのがクロントイに存在するスラム。クロントイ港へ仕事を求める者が集まり形成された子のスラムには現在6000を超える世帯と約80000人が生活している

ドゥアンプラテープ財団

ドゥアンプラテープ財団は劣悪な住居環境、麻薬や犯罪、教育や健康問題など、スラム街では様々な問題に真正面から向き合い解決するための支援活動をする財団である。財団のプラティープ先生はクロントゥイ・スラムにおける 「一日一バーツ学校」などの取り組みが認められ、1978年「ラモン・マグサイサイ賞」を受賞。その後、奨励金2万ドルを基金として財団を設立。理事長には、当時のクリアンサック・チャマナン首相を迎え、スラムの子どもたちへの教育を目的に活動をスタートした。

生き直しの学校

虐待や麻薬など様々な理由で親と暮らせなくなり保護されたスラム出身の子供たち。彼らが共同生活をし学校に通ったり、職業訓練をしたり、再び社会生活を送れるように手助けをしているのが「生き直しの学校」である。「教育こそが生活を大きく変える原動力になる」というプラティープ女史の信念に基づき貧困と差別から子供たちを救う為、運営されている。

シーカーアジア財団

シーカーアジアはクロントイスラムの支援を行う財団である。「シーカー」はサンスクリット語で「教育」を意味する。1979年に発足された「曹洞宗東南アジア難民救済会議(現・公益社団法人シャンティ国際ボランティア会)にルーツを持ち、91年に現地法人化されシーカー・アジア財団として誕生。貧困層のなかでもとりわけ子ども、青年たちの生活の向上を目指し、教育支援を中心とした事業に取り組んでいる。また、シーカーアジア財団では少数民族及びスラム地区に居住する女性の雇用促進と自立支援の一環として、手仕事で刺繍した布を購入し、クラフト製品を作成・販売している。

動画コンテンツ

コロナ禍におけるタイのスラム
【現場から、新型コロナ危機】タイ、スラム住民たちの厳しい現状
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